八幡倉庫の2階は社員寮です。
入れ替わりはありましたが、30年いろんな職人さんが使い続けてきたのですが
ここにきて老朽化もあり、今後新しい働き手がいつ来ても住み込み可能なようにと
思い切って改修工事をすることとなりました。

2階の廊下からみた現状です。

まず解体屋さんに入っていただき
間仕切りを撤去してもらいます。

現状は、こんなお部屋が2部屋と共有の炊事場と風呂とトイレがあります。
天井を剥がしています。
よくテレビでみる 某ビフォーアフター みたいにすごい埃が舞い上がります。(ゴホゴホ)
そして2階のベランダからダンプに直接載せます。

3人でこわして、運んで・・・
みるみるうちに山盛りになっていきます。


しかし、本職は仕事が早いです。
あっというまに部屋の仕切りが取り除かれ ワンルームになってしまいました。

荷台に隙間無く、実に上手に積み込みする技
いつもすごいな~と感心します。
ちなみに解体屋さんは廃棄材を 『薪(まき)』 と呼んでいました。
お風呂やさんにいってお湯を沸かす 薪(たきぎ)となって最後の活躍をするのでしょう。

リフォーム後に使う荷物は一角にひとまとめにしました。
これは自分たちで移動、ちょっとした引越し仕事でした~~。

というわけで、このあとは大工の小川木材さんにお願いして、
壁・天井ができたところで我々 左官屋さんの塗り壁仕上げとなります。
風呂・トイレ・ミニキッチン付きの個室が3部屋。
ちょっとぜいたくな社員寮ですね。
さあ、どんな空間となるのでしょうか、お楽しみに!
完成は4月の予定、今なら新人さんも一名空室ありますよ(笑)。
月曜日は一週間のはじまる大事な日!
ということで、八幡工業は早朝6時だよ全員集合
(毎日ですけど)

まだ暗い中、倉庫に整列して社長からお話しです。
今年から全員に支給されたそろいのユニフォーム (ジャンバーとカーゴパンツ) が統一感あります。

この日は業務連絡とともに
「先日の仕上げが、お客さまからほめていただきました!」
という うれしい~~報告がありました。

朝からいいニュースはうれしいものです。
注意事項やお叱りではなく、いつもこうありたいものですね。

そして『 八幡の職人心得 10か条 』 をみんなで唱和します。

これは毎週ひとりが先導して読み上げ、全員で繰り返し声に出します。
そして最後は元気良く
『今週も、安全作業、無事故でがんばろう~~』でしめくくります。
八幡工業 2015年2月現在
社員27名となりました!
結束力で一丸となってがんばっています。
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おっと、ここで期待の新人をご紹介 。

濱田 雄太 (はまだ ゆうた) 24歳
未経験ですが、左官職人になりたくてこのに飛び込んできました!
この荒海のような厳しい世界(笑)も、きっと笑顔で のりきっていくことでしょう。
がんばれ、平成生まれ!
外壁 と 一部内装仕上げをお手伝いさせていただいた
東京都三鷹の住宅が完成し、設計士さんから見学会のご案内をいただきました。
社長と専務が参加してきましたのでご報告します。

八幡工業が手がけた施工範囲は決して大きくはありません。
【 外 壁 】 北側22.43㎡ 南側12.82㎡
【 内 部 】 1F~2F 吹き抜け部分 と洋室の一部の壁 32㎡
にもかかわらず、作成してくださったお知らせのチラシには
われわれが塗ったスイス漆喰の白い壁を全面的に採用してくださっています。
うれしいですね~~。

左から、ご招待くださったゆう建築設計の和田さん、八幡社長、施工IPCの監督さん
おつかれさまです。
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設計士・和田さんの言葉
「三鷹の家」では、深い軒と袖壁があることで、外部に白い漆喰壁を塗ることが出来ました。
遠目には白い壁ですが、左官屋さんに作り出していただいた『”でこぼこ”でも”つるつる” でもない』
テクスチャーは、廻りの色を反射することなく、反対に素材自らの余計な影を落とすこともないので、
吸い込まれるような 「きれいな白」 に仕上がりました。

黒と白と木の コントラストがシャープです。
ガラスがドアまわりを囲み、採光が計算された明るい和モダンなエントランス。
【 外壁の仕様 】
通気工法 ラス張り+ モルタル中塗り + ファイバーメッシュ伏せ込み
スイス漆喰カルクウォール0.5㍉白色 コテ波の残る鏝ラフ仕上げです。

これだけしっかり張り出した 軒は都内ではめずらしい。
雨汚れを避けたい漆喰壁には非常にありがたい作りです。
いや~迫力あります。

中に入って目に飛び込んでくるのは吹き抜けの階段室。
木のステップに 上まで伸びる漆喰カルクウォールの白い壁。
実に壮観です。

いろんな現場を見てきた、八幡社長でさえも見とれてしまいます。

エアコンが木のルーバーで隠されているのがいいですね。


手すりは壁に埋め込みタイプですっきりしています。
2階に上がったところに見晴らしの良い書斎
書架もしつらえてあり 落ち着いて、いい仕事や読書ができそう。

寝室のRの壁はワンポイント ほんのり藤色の壁に仕上げさせていただきました。

【 内 部 】
仕様:新規石膏ボードの下地にはパテ+ファイバーテープ処理を行いました。
仕上げは、スイス漆喰カルクウォール0.5㍉タイプ
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当日の見学の皆さんに配布された資料にも
漆喰施工の説明を、記録写真も含めてたっぷりご紹介いただきました。

上が外部の工程説明
下が内装の説明となります。

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最後に設計の和田さんからのメッセージをご紹介します。

おかげ様で、質の高い仕上がりで完成することが出来ました。
建て主さまの職人さんへの感謝を含めたご厚意で
このたび完成見学会を行えることとなりました。
Image Gallery
2014年 秋におこなった 「特殊な施工例」 のご紹介です。
スイス漆喰でスケルトンリフォームさせていただいた埼玉のS様邸
作り付けのキッチンカウンターテーブル

テーブルの上の立ち上がり部分、おわかりになりますでしょうか。
キラキラ光る なにかが・・・
もうちょっと寄ってみましょう。

これの正体は、「ラインストーン」 だったのです。
今回、お施主さまである このお宅の奥様から工務店を通じて
「ラインストーン」 を埋め込んだ壁にして欲しいというリクエストをいただきました。
~~~ 住友そっくりさんの六本木にあるマンションショールーム。
そこにしつらえてある、キラキラひかる壁みたいにしてください!~~~

ということで、実際にマンションショールームに伺い実物を確認しました。
その足で台東区にある、アクセサリー専門の問屋さんに行き、いいもの見つけました!!
SWAROVSKI スワロフスキーです。

スワロフスキーは
オーストリアのクリスタル製品を扱う会社の高級ガラス製品で
特殊なカット加工を施す為、ダイヤモンドのような美しい輝きがあります。
漆喰でサンプルを作ってお見せする必要があるので何種類か購入。

オーストリアの宝石とスイスの漆喰とのマリアージュです!!

本番と同じように石膏ボードにカルクウォールを塗って
ラインストーンを埋め込んでみました。

数日後、吉彦専務といっしょに、お客さまに見本を見ていただきました。
石粒の大きさ、カッティングデザイン、配置する間隔などの細かい指示をいただき、
いよいよ方向性が決まったところで、晴れてプラン実行となりました。

今回、施工の依頼は、このカウンターのほかに2箇所。
指示書は玄関ホールの壁と、リビングの壁。
どちらもアール状になった壁面という、ちょっと難易度高めな仕上げです。
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工程は最初、骨組みだけのスケルトンでした。

大工さんにベニヤで下地をつくってもらいます。

そこに左官屋さん登場。 (*施工前の玄関ホール)
初日は、おとめ左官・田原さんが養生をきっちりします。

(*同じく施工前のリビングR壁)
床も天井もきれいな引渡し状態に仕上がっているので、
ラストのバトンを渡された我々が傷をつけたり汚したりすることはできません。
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さて、下の図は天体が趣味のご主人様から提供された手書きのもの。

リビングにはご家族の星座である、「やぎ座」と 「おうし座」を御所望。
玄関ホールには 「北斗七星と天の川」のイメージ。
この図をもとに、ラインストーンが大好きな奥様のリクエストに合わせ、
3種類のサイズの石をどのように散りばめるかを正確な配置図面におこします。
この作図は住友の担当者が作ってくださいました。
さらに、この図を実寸大に引き伸ばして、転写用のポスターサイズに印刷します。
カルクウォールを塗っり、乾く前に
このポスターで石を埋め込む位置の当たり(目印)を出します。
そしてピンセットなどを使い、ひとつひとつ丁寧に石を置いていきます。

気が遠くなるような作業だったと語る、職人さんたち。
ありがとうございました。

そして、2日がかりで仕上がった状態です。

玄関ホール

漆喰の流れるようなパターンをあいまって、天の川がみごとに表現されました。

リビングの誕生月の星座たちも出来ました。

昼と夜とでちがった表情
ライティングでさらに演出効果が変化する極上のインテリアです。
みなさんのお部屋にもこんな デコラティブな壁、ワンポイントいかがですか?

このラインストーンのためだけに、特別につくられた
LED電燈が内蔵されたカウンターと、
ダウンライトに浮かび上がるアールの壁。
こんな部屋に暮らす人の日々の喜びはもちろん、
遊びにこられたお客さまの驚く顔が浮かぶようです。
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まさに左官は無限大の可能性を秘めた世界。
まだまだアイデア次第で、いくらでも発見と創造がうまれてきそうでワクワクします。
以上、みなさまのリクエストに可能な限り全力&真心でお答えする
八幡工業 営業・斎藤のレポートでした。
1月のことになりますが、フランス壁の勉強会にいってまいりました。

『セニデコ』 というブランド、以前から展示会などで興味深く見ていたので、
今回勉強会のお誘いをいただき良い機会と思い参加させていただきました。

主催はセニデコフランス合同会社さん、
会場は関内にある横浜市技能文化会館です。

ちょっと早く到着したので開場まで1階にある「匠プラザ」を見学しました。
横浜開港当時の職人さんたちの技能と暮らしを知ることができる道具類の常設展示のある多目的スペースです。

左官屋さんの彫像があってびっくり。

さまざまな左官鏝が展示されていました。
いまさらですが、鏝板 2種類あって 左が 「鍋蓋」
右が 「羽子板」 って呼ぶのだそうです。知らなかったです。

横浜の名人の道具箱でしょうか。
木で作られた鏝専用の鞘(さや)、大切にされていたんですね。
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さて、前置きが長くなりました。
この日の参加者は全国から30名ほどの方々 が参加されました。
左官業の方・塗装業の方・工務店の方・ハウスメーカーの方・内装業の方・・・

たくさんのご縁をどうもありがとうございました。

いっしょのテーブルで勉強させていただいたのは千葉の塗装業のご夫婦、
塗装だけでなくタイルや左官工事も得意なのだそうです。
右手のかわいらしいお嬢さんは新潟からお越しのエコ建材販売会社の営業レディ。
雪国から新幹線にのってのご参加です。

最初にセニデコ社の方がフランス語で、ごあいさつ。

この会の取りまとめと、実演指導はセニデコフランス合同会社の田山さん。
「今回のメインは数多くのセニデコ商品の技術を学んで頂く事が目的です。」
やさしい語り口で 懇切丁寧な説明がとても良いお人柄を感じさせます。

まずは色々な商品をカタログやサンプルを見ながら簡単に説明。

8種類の材料の特性と、表情の違い、塗り方を1日がかりで勉強です。

まず、田山氏から塗り方のお手本を見せていただきます。
「職人ではないので下手くそですみません」 といいながら手馴れたものです。
その場で次々と、数種類の材料を手際よく調合して塗っていきます。

後は1日かけて皆さんと塗りまくりの講習です。

新潟のお嬢さん、意外や上手です。
ニコニコしながらも本気モードで塗っていました。(笑)

乾く前にサンダーの刃を当てることで表情が変わるという
セニピエールという材料は興味津々です。

ピンク色の顔料をまぜたものは 「クリスタル」という材料。
乾いたあとも、パール状の粒子がキラキラと光る仕上がりになります。
これは蜜蝋ワックスで仕上げる 「デコ プロヴァンス」 という材料。
独特の陰影と艶感がでます。

下地に 「アバナ」 を塗った後 「スタッコ」 という材料を塗り重ね
専用の磨き用ステン鏝で抑えているところ。
つるつる鏡面、わたしの頭のように(笑) ピカピカ仕上げになりました!

このように、コテで塗ったり、刷毛で塗ったり、工具を使って
特殊な磨きをしたり色々な施工方法を教えて頂きました。

ガラスのような質感、大理石のようなしっとりした手触り
それぞれ数ミリの塗り厚ですが、重厚感、ボリュームはクロスとはあきらかにちがいます。
そんなこんなで、お昼をはさんで、あっという間に1日が終わりました。
最後は参加者のみなさんと名刺交換会、施工の相談をしあえるお仲間にも出会え
さまざまなご縁を皆さま、ありがとうございました。
造形や床にも使える 「セニピエール」 という材料もあり、
スイス漆喰と組み合わせて、おもしろいことが出来そうなアイディアが浮かんできました~!

さて、このフランス漆喰 「セニデコ 」 の 塗りサンプルは
八幡工業のショールームにあります。
ご興味ある方は、是非ご相談下さいませ。
http://www.senidecofrance.co.jp/
八幡工業の読者モデル!?
このさわやかなスマイルとパリッとした衣装。

ショールームスタッフの橋本真央さんと
八幡社長が届いたばかりのユニフォームを試着した姿でした。

これ実は、職人さんの現場への行き帰りの制服です。
防寒対策とみだしなみを考えた社員思いの社長からのプレゼント。
来週には25人の社員全員に支給されます~~。
みんな刺繍の名入りなのでまちがえることもない!
これでもう いつお客さまに会っても 「まあ、清潔感のある左官屋だこと。」
と思っていただけることでしょう。
