2009.08.28 八幡の職人

只今 「左官修行中!」 (3)

こんにちは。 斎藤です。
今回はいよいよ日本が世界に誇る左官造形 『土佐漆喰視察記』 を書きます。

土佐の高知はテレビマン時代、よさこい祭り取材や、四国八十八ヵ所お遍路番組などで7年ほど前に数回訪れた経験があります。
当時お世話になった地元高地で映像制作技術会社を営む社長の伊藤さんが、

今回空港の送り迎えから、土佐漆喰の建築群がある場所までのドライブを一手に引き受けてくださったおかげで完璧な視察ができました。

土佐漆喰のルーツは諸説あり、江戸時代からあったというものから、明治時代から発展したというものもあり謎に包まれていますが、

最大の特徴は日本の他の土地で使われている漆喰が海藻精製した ツノマタ糊 を使用するのに対し、

土佐漆喰は発酵腐敗した わらスサ を石灰に混ぜた壁塗り材料であるところ。

毎年激しい台風に見舞われる高知県には、その激しい自然に対抗するべく頑丈な家構えをしてきました。

さらに元禄時代に発生した大火による被害を受けたことにより、土佐藩は燃えにくい家や土蔵の建築を奨励したことで発達したということです。

南国市野市町

まず最初に訪ねたのは車で高知市内から30分ほど走った南国市のいち町の集落。

国道の周辺に今風の新築住宅に混じって、突然ポツポツと現れる水切り瓦の民家。
これが噂に聞く 「みずきりがわらか??」 と関心。 例えて、瓦のサンドイッチ状態。
激しすぎる・・・。 いったい誰がなぜ????こんな形を考え作ったの?
きれいに手入れしてある表道りから、少し入った田んぼから眺めるとまた別の風情。
うち崩れつつもある壁も自然に溶け込んで郷愁をさそう。

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  • 香南市夜須朝
    さらに車で30分ほど走った香南市赤岡町でふらり立ち寄った古道具屋。 店先に並んでいたデッドストックの焼印が目に入り、探し求めていた「斎」の字を2500円でゲット! お店のご主人と話しているうちに 「東京の左官屋さんがわざわざ土佐漆喰を見に来てたのなら、とっておきの建築を教えてあげましょう!」 と案内してくれたのがここ。 ガードレールもない山道を延々に走って辿り着いたのが、夜須町にある、人口10数人の羽尾の里。昔小学校だった場所が今はログハウスの宿泊施設となっている。 そこで昼食をいただき、女将さんに案内していただいたのが、古道具屋のご主人に 『土佐中回っても、ここの漆喰彫刻に勝る物は見つからないはず!』 と言わしめた物件。
    確かに普通の民家にこれだけ立派な龍の彫刻は不思議であり、こんな山奥で何日もかけ仕事をした名もなき職人がいたいうことが素晴らしい。 おそらく75年は経つといわれる壁はいまだに鏡のように輝き、龍の彫刻はつい最近作られたようにいきいきしている。   何年経ってもカビが生えず、年月を経てさらに白さを増すという 「土佐漆喰材料」 の神秘に触れた気がしました。

ちなみに、今回は特別に許可を得て撮影させていただいております。

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次回は、土佐漆喰と言えばここ! 室戸市吉良川町の白壁と水切り瓦の町を紹介します。

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