2011.09.28 八幡の職人

田村恵稔の超立体鏝絵展

サイトウです。

東京・浅草の本龍寺(台東区今戸1-6-18)にある鏝絵が、

東京の下町で活躍した左官職人 ・ 田 村 恵 稔 (けいねん)さん

本 名 ・ 守 雄 、 1 8 9 2 ?1962 の作によるものと複数の証言に

よ り 判 明 。

この情報は昨年2010年 6 月 1 9 日 付 け の 東 京 新 聞 、

7月21日付けの朝日新聞?(静岡版)でも報じられた。

この件は私の鏝絵の師匠・大久保雅先生からうかがっていた。

なんでもとても大きくて、たいそうりっぱな作品だという!

http://www.ko-bunsha.com/sample/foram-10/10.8-topi.pdf

いつか先生にお供して参拝したいものだと考えていたが、

偶然一日だけ(9月23日・祝)特別に公開されるという噂を聞き、

行ってまいりました。

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koteeten

さっそく本堂に入りお参り。

hondoご本尊の阿弥陀如来、

それを取り囲むように内陣正面の欄間には菩薩や天女、

左右の欄間には松と桐にとまった鳳凰、

手前の横柱には鳳凰を中心としてスズメやコイ、マゴイなど

13体の動物が飾られている。

これらの鏝絵が、すべて東京の左官職人 ・ ?田 村 恵稔の手による作品である。

tennyoこれらの欄間の作品、透かし彫りの技法のように裏側も立体に出来ている。

たとえば鳳凰、内部からみると、

houou-in

そして外側から見ると!

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おもいっきり尾羽根が四方八方にひろがっていますね。驚き!!

これ木彫じゃあなく、漆喰細工ですよ。

木や針金で骨組みとなる芯をつくり、わら縄などを巻きつけた上に

漆喰を塗って作っているのです!!

しかも色がきれいに残っています。

会場では、この鏝絵を探しだした新宿区在住の研究科・調海明(しらべ)さん

とともに、かつて手ほどきを受けたという足立区の元左官職人・荒井康嗣さん

田村恵稔さんのお嬢様がいらして、来訪者に解説をされていました。

araisan

設計の図面は新井さんが保存していたもの。

front back

図面の裏を注目!

当時のセメントの袋に書かれていたのです。

しかも、50キロ入り!!

うわさに聞いていたが本物見たのはじめて。

またこの日限定!?で、個人所蔵の額入り恵稔作品も数点展示。

birdsこの雲間を飛び交う2羽のカモ、みごとでした。

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Bards

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river

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これは、新井さんの鏝絵用道具。

kotetool

新井さんのアドバイス、しっくいは貝灰を使わないと色が退色してしまうとのこと!

貴重なお話、めったに見ることのできない作品を手に取るように

じっくり鑑賞させていただくことができて、ありがたかったです。

いつか自分もこんな作品をつくりたいものです!

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