紙にピンチアウトしてしまうことありませんか。

都内マンションにモルタル造形をお納めしました。
ご依頼は遡ること二年前の2021年。
擬石のサンプルをつくってみてもらえるか、と不動産会社さまからのお話でした。

テクスチャの強さを三段階に分けて表現するために3枚作成。

テクスチャ“強”は厚みを出すために、軽量発泡骨材(通称サンド)をセメントと混和したもので中塗り。

モルタルを上塗りしてカービング、塗装して完成です。

さまざまなアングルからライティングしてみました。
演出次第で表情に変化が出るので面白いですね。

できあがったサンプルはマンションギャラリーに展示されました。
左からテクスチャ“弱”“中”“強”です。

完成イメージとともに八幡工業を紹介いただいてます。
近くにはタイル屋さんのパネルと模型が展示されてました。

来たる2023年3月。
通りから覗けるメインエントランスの最奥に位置しています。

『悠々と』『ダイナミックに』『ランドみたいに』
造形の場合、いただいたワードからイメージし、お施主さまの思い描く正解に近づけていく流れがほとんどなのですが……

本件は単純明快。『とにかくパース通りに』
すでに正解が用意された珍しい案件となりました。

手渡されたA3用紙と睨めっこしながら工程を踏みます。
二本指でピンチアウトの動作をしてしまったのはここだけの話。

施工担当はタニと私タ口。
最近では「ブログのひとだ」と依頼会社の方に声かけてもらうようになりました。

パースで把握できない細かい箇所は、チャームポイントの邪魔にならない程度にデザインします。
再現にあたって陰影が頼りだったので、ダウンライトが点いていたのは救いでした。

厚みはありますが、スタイロとサンドで距離を稼いでいるのですべてモルタルでつくるよりも荷重が抑えられています。
それでもどうしてもクラックが入ってしまう場合もありますが、

補修チームでもあるのでセルフリペアができます。

「デザインは頭の中にあるの?」と見学される職人さんに聞かれる度に紙を見せると「コレからコレを?!」と驚かれていました。
所長さんやデザイナーさんにもご納得いただき、正解をご提供することができました。

広角で撮影して最終チェック。
『とにかくパース通り』にお応えできたのではないでしょうか。

最近ではテーマパーク案件がつづきご紹介できないのが残念ですが、本日もたのしく特殊左官やってます。
