2025.08.20 研ぎ出し

【施工実績】SMC遠野サプライヤーパーク のテラゾー仕上げ

青森アリーナの滑り台施工でご評価いただいたことをきっかけに、株式会社ヤブ原様より
岩手県遠野市に新設される施設内ステージのテラゾー仕上げ工事をご依頼いただきました。

今回は、SMC遠野工場に隣接する「サプライヤーパーク」内の象徴的なステージ空間の
出張施工です。

 

*完成:研磨されたステージの天端

📅施工概要

 

          • 施工期間:2025年7月28日〜8月2日
          • 施工場所:SMC遠野サプライヤーパーク内
          • 元請会社:大成建設株式会社
          • 施工面積:ステージ天端 約30㎡+立ち上がり部分 約10㎡=合計 約40㎡
          • 施工担当:㈱ヤブ原、㈱幸青工業、(有)八幡工業、㈱CRTワールド

         

 

🏢施設の背景

SMC遠野工場の隣接地に、サプライヤーを集積させることで部品供給の一貫体制を構築し、
生産能力の向上とBCP対策を強化することを目的とした施設です。

 

 

年末からの本格運用開始を目指し、サプライヤー棟・倉庫棟・共用棟などが建設されます。

施主側の設計デザイナーさんから、今回のステージのコンセプトは

「色と素材を組み合わせて、個性あるサプライヤーが集まり、融合してできる集合体」

を表現したいというご要望をいただきました。

 

 

* ステージのコンセプト指示書

 

🎨使用素材とイメージ

 

素材 意味・イメージ
水色の大きめガラス 「SMCブルー」空気を扱う企業の象徴
緑の蛇紋岩  遠野の森林をイメージした自然の緑
大小さまざまな石  多様なサプライヤーの個性を表現
全体構成  SMC・森林・サプライヤーが融合する集合体ステージ

 

*施工場所:2階 アトリウム


建物の内部にある、天井が高く、ガラスなどで覆われた開放的な空間

吹き抜け天井のあるステージの背後には、
大きなガラス窓から遠野の山々が望める絶景が広がります。

 

 

完成後、このステージがどのように活用されていくのか、私たちも楽しみにしています。

 

🧪施工前の準備と打合せ

施工に至るまで、以下のような綿密な準備を重ねました:

 

1.色・テクスチャーの異なる骨材サンプルを複数調達

2.デザイナーが理想のガラスのちりばめ方を考案

3.配置画像から骨材の調合比を導き出す

4.セメントと配合したサンプルを作り、研ぎ出し仕上げを確認

5.研ぎの工程による表情の違いを検証

6.番手ごとの光沢の違いを確認し、最終仕様を決定

 

* 検討した様々な骨材
(あらかじめ混ぜるものと、あとから撒いて埋め込むもの)

 

*配置画像から骨材の調合比を導きだし サンプルを作成
厚みは10㎜

 

*2種類の骨材の組み合わせと研ぎ方を検証

ベースの色は、当初の ベージュ系から落ち着いたグレー系に変更
数種の砂利やカラーガラスも組み合わせを変更

モルタルには ポリマーセメント「テクノカラーSK」のダークグレー色を用いました。
https://www.technosjapan.com/media-download/67/5a0195691f8a2133/

 

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限られたスケジュールの中で、メール・リモートミーティング・サンプル制作・現地打合せなど、
可能な限り丁寧なコミュニケーションを重ねました。

 

  

*下地の状況

八幡社長は新幹線で現地下見に赴き、監督との事前打合せを実施。
研磨専門業者にも下地の状態や機材搬入ルートを確認していただきました。

 

🚚施工の流れ

 

        • 7月28日:朝6時30分に会社を出発し、常磐道経由で午後2時に遠野到着。
          
          

          *施設建屋の外観:施工場所は2階

           

          現場打合せ後、資材搬入・宿舎チェックイン
          
          
        • 29日:設計デザイナー立ち会いのもと、ステージ脇の踏み段(約1㎡)で試験施工。

           

          
          
        • 
          
          
          
          *実際にガラスの埋め込みを行い、写真記録を残して本施工の参考にするのが目的。
          
           
          
          
          
          
        • 7月29〜30日:モルタル種付け施工本番
          
           
          
          
          
          
          
          シーラー塗布、ノロ塗りが終わったら
          まず、Rのコーナー部分を先に塗りつけます。
          
           
          
          
          
          
          ひきつづき、天端のモルタル種付け

           

        • 
          
           
          
          モルタルを平滑に均したのち  乾く前に 色ガラスを丁寧に埋め込みます
        •  
          
          
           
          
          色ガラスを入れ終えたら、最後に鏝で押えます
          
           
          
          
        • 7月31〜8月2日:24時間乾燥後に研磨仕上となります
            
            • 天板は大型の研磨機械で行います

               

            • 
              
              研磨機の裏側 3枚の刃を回転させて研いでいきます。

           

          • 
            
            
            
            専用の吸塵機で、粉塵は吸い込むので空気中にはほとんど飛散しません。

             

            
            
          
          
           
          
          
          
           
          
          
          細かい部分は ディスクグラインダーで

           

          荒砥ぎした状態
        • 巣穴があれば ノロを詰めて 研ぎます
          
           
          
          
          
           
          
          100,200、400、800、1600 (数字の大きい方が目が細かい)
        • さらに徐々に 目を細かいレジンパッドに変えながら研いでいきます。
        • 
          
           
          
          
          1500番まで研ぐと このように鏡面仕上げとなります。

 

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そして 作業開始から6日目

研磨が完成しました~~~~~。

窓の明かりが映りこんでいます

ピッカピカ!!
うつくしいステージの出来上がりです。

 

🙏施工を終えて

多くの方々のご協力のおかげで、無事に施工を完了することができました。
デザイン性と機能性を兼ね備えたステージが、今後この施設の象徴として活用されることを願っています。

皆さま、おつかれさまでした。ありがとうございました!

レポートは、サンプル作成および現場作業にも参加した 斎藤でした!

 

おまけ

作業を終えて、おつかれさまの食事会
左から ヤブ原の菊田さん、八幡工業の野澤さん、八幡社長
みんなで遠野名物のジンギスカン鍋をかこみました。
ハードワークのあとの体に染み込むおいしさに一同大満足でした。

ごちそうさま。

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