2020.05.09 モルタル造形

ビールストーン(BEAL STONE)によるテラゾー仕上げ

ベルギーBEAL社の人造石研ぎ出し仕上げ材「ビールストーン」によるカウンタートップのテラゾー施工のご紹介です。

今、まさにピッカピカに鏡面仕上げをしているのが、

八幡工業のカフェ・サンワイズのテラス席にあるテーブル

この、緑の部分が「ビールストーン(BEAL STONE)」です。

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BEAL 社といえば、MORTEX(モールテックス)が有名です。
MORTEXは、水を通さない薄く強靭な仕上げ層をつくる左官塗材で、優れた機能性と高い意匠性を合わせ持つ非常に人気のある仕上げです。
*写真はビールストーンのセットです。
左からプライマー、ビールストーンパウダー、リキッド

今回はMORTEXではできない、テラゾー(人造大理石調)仕上げのテーブルを同社の製品「ビールストーン施工」で実現しました。

では、施工の流れを順にご説明していきます。

既存のテーブルをベースに天板は合板で補強しました。

防水用の黒いアスファルトフェルトを貼ったのち
メタルラス網をタッカー針でしっかり打ち付け固定します。

このあとモルタルを塗って乾燥期間をおきました。(省略)

顔料で調色した専用の樹脂モルタルを鏝で塗っています。

 

顔料はMORTEXと共通。
色の濃淡は計りで量ってミキサーで練りこみます。

 

定規を使って鏝で平滑に均し、乾き具合をみながらしっかり抑えていきます。

急激な乾燥によるクラックを防ぐためビニールで覆い

数日間しっかり乾燥期間をおきます。

研ぎ出しには、秘密兵器が登場

三枚のディスクが付いた荒砥ぎサンダーである程度研磨します。

 

そして、本格的な研ぎは一枚刃のディスクサンダーに切り替えます。

番手を変えながら 徐々に細かい目に切り替えていきます。

縁の白い部分はタラソミックスというバリ発祥の材料です。
目印の墨の線まで慎重に削っていきます。

ちなみに、緑色との境界部分には真鍮製の目地を埋め込んでおきました。

*タラソミックス:海洋性のエネルギーを持つ珊瑚や貝殻とトラバーチン系の素材のナチュラルな左官材です。

テーブルが出来上がりました。

株式会社大喜舎の大迫社長に研ぎ出しの施工協力をしていただきました。

https://www.taikisya-sakan.jp/

大迫さん、大変お世話になりありがとうございました。

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【 備 考 】

テラゾーデザインは、現存する近代建築や、古い美術館・博物館、学校の洗面所、地下鉄駅のコンコースなどで今も見ることができます。
一昔前(昭和生まれ)の方なら小学校の手洗い場といったらわかりますよね。
当時は高価な石材の代替といった側面でポピュラーな仕上げで「人造大理石」とも呼ばれましたが、手間や時間のかかることで一時敬遠されてきました。

最近は、この味わいある仕上げが再評価されています。
ビールストーン(BEAL STONE)は、小面積であれば厚み5mm程度から人造石研ぎ出し仕上げが施工できます。
従来の研ぎ出し仕上げに比べほとんどクラックを発生させないという高い接着力と強い耐久性が最大の特徴です。

詳しい情報はサイトをご覧ください。 https://bstone.jp/

 

 

 

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