2022.09.30 MORTEX

テラゾーのキッチンカウンター 【前編】

マンションリノベーションにあわせて施工を担当した「テラゾー」のキッチン天板。

 

「てらぞう」 なんだか頑固なお爺さんの名前みたいな響きですが(笑)、

英字でTERRAZZOと表記する、「テラゾー」はイタリアの発祥とされています。

まるで大理石のようなすべすべした肌の白い床や壁。ああ、あれね。

 

日本では、近代以降の大型建物や公共建築などで、好んでテラゾーが使われました。

老舗の百貨店や、古い美術館・博物館の床や階段、身近なところでは学校の洗面所、

地下鉄駅のコンコースなどで今も見ることができます。

 

左官の仕事では、「研ぎ出し」仕上げともいいます。

サンダーなど機械を使って 研磨して仕上げる施工法。

 

今回は、一般住宅でもブーム?の気配を感じる

「テラゾー」「人造石研ぎ出し仕上げ」をご紹介します。

 

色とりどりのガラス、細かい石やなど埋め込んだ

キッチンカウンターの天板にしつらえた「研ぎ出し」仕上げ。

仕上げ材はベルギーBeal社の製品  BEAL STONE【ビールストーン】

https://bstone.jp/

 

八幡社長が、現場設置後に最後の微調整をしています。

 

完成した「テラゾー」の2メートルのキッチンカウンター。

 

左側開口部分には のちほどステンレスのシンクが下から留め付けられます。

 

右側には レンジがビルトイン。

これで、実際に現場に納めて引き渡しとなったのですが・・・・

 

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実は、施工は 八幡工業の倉庫で行って 現場に運ばれたのでした。

 

依頼は、家具屋さんを通じて。

合板で組み立てられたカウンター天板、そのままでは施工が出来ないので

仮の台座部分をいっしょに作っていただきました。

まずは、プライマーを塗布し乾燥。

 

樹脂モルタルの下塗り
こうすることで後から塗るモルタルの喰い付きを高めます。

 

下塗りが乾いたら 補強のために 鉄筋を入れます。

 

開口部のふちは5センチほどしかないので

補強のために 鉄筋と金属ワイヤーメッシュをタッカーで打ち込み

結束線でしっかり縛り留めます。

 

型枠を組立て、モルタルを充填していきます。

 

ここまでの工程で3日

ここから乾燥養生を数日間とってから、

テラゾーの仕上げ層の「種付け」モルタル塗りとなります。

 

まだまだ、前半戦。

めちゃくちゃ、手がかかる仕事ですね。

こうなると、「てらぞう」= 頑固なお爺さん ! というのもまんざらではないかもしれません。

 

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かつて昭和の時代に普及した「テラゾー」は、当時高価な石材の代わりとして

安い人件費もあって盛んに採用されたのですが、手間や時間のかかることが弱点でした。

また、骨材の選定・調達、材料の調合などの作業を、現場ごとにこなしていかなければならず、

さらに研ぐ際に粉塵が発生するなど、次第に避けられるようになりました。

 

八幡工業では、この伝統の技術を守りながら、

公園遊具の滑り台や、ベンチなどを数多く施工しています。

こうした新しい形の

“現代版”のテラゾー

をご提案します。

 

というわけで、次回の後編をお楽しみに。

https://www.yawata-sakan.com/blog/22178

斎藤のレポートでした。

 

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