2022.10.15 MORTEX

テラゾーのキッチンカウンター 【後編】

 

上の写真は、カラフルなガラスや石をセメントに植え付けた仕上げ前の状態

マンションリノベーションにあわせて施工を担当した「テラゾー」のキッチン天板。

ここから、鏝でしっかり押さえて、乾いたら研ぎ出し完成となります。

 

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さて、「テラゾー」という名称に関しては 人によっては見解がちがうようで

「昔は 工場で成型加工した大きなかたまりを、機械で切断してできた製品のことを指す」

「現場で研いだものは、現場テラゾー・略して 現テラ(ゲンテラ)」

「骨材の大きなものをテラゾー、細かい骨材は 人造石研ぎ出し仕上げ・略して 人研ぎ(じんとぎ)」

など・・・

今回は、現場制作でなく、弊社の工場で作ったので あえて「テラゾー」と呼ばせていただきます。

 

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前回は下地の工程

型枠を組立て、モルタルを充填するところまでご紹介しました。

https://www.yawata-sakan.com/blog/22144

 

 

合板の上に下処理のプライマー塗り・鉄筋・型枠・モルタル塗りまでの工程で3日

ここから乾燥養生を数日間とってから、

いよいよテラゾーの仕上げ層の「種付け」モルタル塗りとなります。

 

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今回仕上げに使った材料は

ベルギーBeal 社の製品  BEAL STONE【ビールストーン】

https://bstone.jp/

 

用意したのは、袋に入っている 専用のセメントパウダー

青いボトルのリキッド液

そして、珪砂の骨材

そして計量用の計りです

 

 

ビールストーンパウダーという専用のホワイトセメントに、

骨材 (5厘・7厘・1分)と、樹脂のリキッドをミックス& 撹拌。

*通常のモルタルとちがって、水は使いません。

 

 

シンク内は テラゾーが見える仕上がりなので

あとで 研磨して、削っていく厚みを計算して 枠を設置して材料を詰め込んでいきます。

 

 

全体に塗り付け、鏝で平らにならしていきます。

 

 

塗り付けが進んだところで、化粧の宝石・ガラスなどを埋め込みます。

デザインは、設計担当者と施工を監督している方におねがいしました。

 

さて、

下に並べたのは 研ぎ出しに使うさまざまな骨材です。

 

テラゾーは 練り混ぜる石の色、サイズによって 表情が変わってきます。

調合・組み合わせは無限大なので、時間があれば小さなテストピースを実際に製作する必要もあります。

 

 

これらを並べて見て、依頼者と検討した結果     👇 下の もので決まりました。

 

 

メインは 珪砂の白ベースにして、黄色いカナリヤ石を少々

赤・うすいグリーンは天然のフローライト(ほたる石)

アクセントで 青・緑の色ガラスを細か砕いたものを埋め込みました。

 

 

グリーンの ガラス片を入れているところ

 

 

バランス良く さまざまなサイズの

アクセントの石とガラスが入りました。

材料が 乾いてしまうと、きれいに仕上がらないので 時間との勝負です。

 

 

型枠を外した部分にも石を埋め込みました。

 

 

もう一台、ご依頼いただいた キッチンの作業台。

 

 

最後に二台とも鏝でしっかりおさえて

一日乾燥養生します。

 

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後日、「研ぎ出し」の工程です。

 

 

最初は 荒砥ぎ カップサンダーを使います。

 

 

荒砥ぎしたあと、

このように細かい石が飛んで 巣穴が目立ちます。

 

 

白いパウダーを樹脂でクリーム状にのばした ペーストを上から塗ります。

左官屋は、「ノロがけ」と呼びます。

 

 

「ノロ」で巣穴が埋まり、乾いた状態でふたたびサンダーをかけます。

最初は荒いペーパー。

 

 

つぎに、レジンパッドという研ぎディスクをとりつけた グラインダーに切り替えます。

これは、裏側がマジックテープになっていて  パッド交換に便利!

 

 

50 100 200 500 1000番 とパッドを細かいものに交換しながら

時間をかけて研磨して いきます。

 

 

 

徐々に艶が出てきて 鏡のように光が反射してきました。

さわるとすべすべな状態です。

これくらい磨かれたら完成です。

 

 

完成した キッチンカウンターを家具屋さんが大勢でお部屋まで運びます。

エレベーターに入るギリギリのサイズ、50キロくらいの重さでしょうか。

 

 

お部屋に入れ、仮置きした状態。

 

 

無事、キッチン奥に収まりました。

 

手前は もう一台、ご依頼いただいた キッチンの作業台。

棚の上にのっています。

 

 

現場設置後、最後の仕上げ『磨き上げ』をします。

 

 

 

施主 ご夫妻様にも仕上がりを確認していただき、「合格」のお墨付きをいただきました。

お引渡しが済み、ほっとして、みなさんと記念写真を撮らせていただきました。

 

 

デザインと機能美をあわせもつ、『テラゾー』いかがだったでしょうか。

世界にひとつだけの テーブルや キッチンカウンター

八幡工業では 卓越した左官の技術で製作し、心を込めて丁寧に 磨き上げます。

 

いろいろなリクエストにお答えして施工いたします。

わからないことがあれば ご相談ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

斎藤のご案内でした。

 

*こちらもあわせてお読みください。

テラゾーのキッチンカウンター 【前編】

https://www.yawata-sakan.com/blog/22178

 

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